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今までのAIによるアート作品の生成は1人または、複数人の専門的なプログラマーに依存してします。AIのアート作品というよりも、プログラマーがAIを使ったアート作品となっており、AI自身の作家性というものはありませんでした。
今回紹介するAbrahamプロジェクトは、その問題を解決する自律的な人工アーティストを制作しようという壮大なプロジェクトです。
ここでは、自律的にアートを生成するエージェントをAutonomous Artificial Artist(AAA)と定義し、以下の基準を満たすものとしています。
自律性:AAAはその作成者とは別に独立して動く。
独創性:AAAは、その著者の派生物ではなく、新しい創造性を示す。
一意性:AAAは複製できない。
具体的なアプローチ
簡単に説明すると、作品を生成するモデルをP2Pを用いて保持することにより、参加者全体の集合知からなるアートを生成するという仕組みです。
詳しく説明すると、
・組織は分散型であり、参加者は誰もモデルの重みにアクセスできず、代わりに共有の秘密として集合的に保持されるか、マルチパーティ計算グリッドに分割される。
・モデルからサンプリングするには、質問がネットワーク全体に伝えられる。
このようにすることで参加者の集合によって生成モデルが共有および運営され、信頼できる当事者が生成モデルを維持するアプローチは今までにありませんでしたね。
Abrahamプロジェクトの2つの目標は
1、参加者の集合知に基づいた新しいタイプのジェネレーティブアートプログラムを達成すること。
2、現在解決されていないセキュリティの脆弱性、規模とパフォーマンスのボトルネック、および議論の余地のある社会的意味を持つ技術の試験場として機能すること。
Abrahamプロジェクトは、ユニークで独創的なアートを生成することにより、本質的な創造性を示すエージェントを実装しようとしています。
しかし、まだAbrahamはまだ実用されておらず、また生成された作品をどう評価するかなども具体的には決まっていないため、まだまだ道のりが長いプロジェクトです。今後の発表が期待されます。