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2017.11.13 Up

Posted by Toru Urakawa

AIとの共作で行う「過去との対話」ー Maison book girl 「cotoeri」

AIとの共作で行う「過去との対話」ー Maison book girl 「cotoeri」

2014年に結成された、女性4人組グループMaison book girl(メゾンブックガール、以下mbg)の「AIと人間による歌詞の共作」プロジェクト。

 

cotoeri

「過去との対話」をコンセプトとしたこのプロジェクト。cotoeri(言選り)は、「過去の記憶」を学習し新たな「詩」を生成する『箱型AI』。今回、過去の記憶= mbgのプロデューサーであるサクライケンタ氏の過去6年間におよぶ歌詞を RNN(再帰型ニューラルネットワーク)で学習、新たな詩のフレーズを生成する。

生成されたフレーズ例。

生成されたフレーズはcotoeri内に蓄積され、単語を入力するとその言葉に関連するフレーズを出力するインターフェイスを介して、引き出すことができる。共同制作 にあたり、まず10個のワードをサクライ氏に選んでもらった。

作詞家は自身の頭に浮かぶ言葉をcotoeriに投げかけることで、自らの過去から生成された新しい表現を獲得。その結果をさらに取捨選択するという過程で「過去との対話」を行い、AIと歌詞を「共作」した。

「街」に関連するフレーズを呼び出した例。

過去からこれまで築き上げたサクライ氏の世界観はそのままに、本人がこれまでにしなかった、そしてこれからもすることのなかったであろう表現が歌詞中に出現した。RNNによる文章生成と関連ワードによる抽出というシンプルな仕組みながら、それが提供する「過去との対話」により、楽曲にこれまでにない新たなイメージを生み出している。

完成した歌詞。黒いサビの部分はサクライケンタ氏の書き下ろし。

また、Twitterには実際にcotoeriとの「対話」ができるアカウントが登場。単語や文 章を入力するとその言葉に関連するフレーズが返信される。

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